
日本では、脳梗塞後遺症やパーキンソン病などに対する治療は、主に薬物療法やリハビリテーションが中心です。鍼灸は補完的な手段として利用されることはあっても、まだ「医療の一部」として広く受け入れられているとは言えません。そのため、多くの患者さんは「鍼は痛そう」「本当に効くの?」といった不安を抱えながら来院されます。
一方で、ドイツやブラジルをはじめとした海外では事情が異なります。YNSA(山元式新頭鍼療法)などの鍼灸治療は、病院や大学の教育課程に導入され、医師と鍼灸師が連携して患者さんを支える体制が整っています。研究面でもランダム化比較試験(RCT)が行われ、脳卒中リハビリへの有効性や、痛みの軽減効果が科学的に報告されています。そのため、患者さん自身も「医師の勧めで鍼を受ける」ということが当たり前に行われているのです。
このように、日本と海外では鍼灸の立ち位置に大きな違いがあります。当院では、世界の医療現場で認められているYNSAを地域の皆さまに提供し、しびれや麻痺に悩む方の新たな選択肢として役立てていただきたいと考えています。
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